美容室に限らず様々なサービスにおいて「単価」が課題の経営者は多いのではないでしょうか?
競合他社が多い業界では「クーポン」などの値引き集客は1つの方法として確立されており、値引きなしで集客をすること自体、不可能なのでは?と思っている人がほとんど。
クーポンを呼び水に来店してからプラスαで単価アップを目指すのがセオリーになりつつあります。
しかし、そんな中でも美容室で単価¥15000を超えるサロンもあったりします。
そして小規模サロンが1番最初に取り組まないといけないのは「単価改善」です。
なぜ小規模サロンの経営改善は単価の改善からなのか?
単価の取れるサロンと取れないサロンの違いとは??
そして現在、クーポンなどの低単価が中心で単価を上げていくために必要なこととは???
Contents
小規模サロンが最初に単価改善に取り組まないといけない理由
低価格がメインの経営のデメリット
小規模サロンがまず初めに取り組むべき課題は「単価」にあります。
経営を改善していくにあたり肝になるのはサービス単価なのは言うまでも無く、同じ100万円の利益を上げるでも当然低単価と高単価では労力が違います。
大型サロンのように席数・スタッフ数があれば人海戦術のパワープレイで売り上げを上げていけます。しかし、近年の美容業界の給与体系は「歩合」が占める割合も高く数をこなせるだけのスタッフ数を維持した際の「人件費」とそのスタッフ数に対しての客数を維持する「宣伝費」の割合からすると、思っているより利益が上がっていないことが殆どです。
昔は美容室の大きなコストは
・人件費
・固定費(家賃)
この2つと言われていました。
近年はここに「宣伝広告費」が大きくのしかかってきています。
その広告費を回収するために低価格クーポンなどで数を集客する流れになっています。
小規模サロンは、限られたコストと人員で勝負していかなければいけない中で、数をこなす集客はスタッフ離脱の原因になりかねません。
そして元より席数の少ないサロンは低単価のユーザーで席を埋めてしまい、高単価のユーザーを取りこぼすことも問題になります。
まずは今のクーポンの価格がサロンとして極端な値引きになっていないか?をしっかり判断し、サービスに対して適正額いただけるように作り込むことが必要です。
従業員にとっても安売りで数をこなす仕事より、適正価格で仕事量を守って働ける方が当然ベストです。材料のコストをとっても同じ売り上げなら数が少ない方が低コストですみます、つまり「利益」は大きく残ります。
同じ数をこなすに対しても、単価が高ければ当然売り上げも大きく変わります。
低単価で薄利多売に持っていくには、それなりに「数の勝負」をしていかなければならず大型店と同じようなことはできないことを理解しなければいけません。
あまり大きな声で言えませんが、某全国展開大型サロンはカラー剤の仕入れ価格が1本¥165〜です(事実)。当然メーカーにしても大口顧客だからの対応でしょうが、普通のサロンとここまで仕入れに差があります。
大手ポータルサイトもこの会社に対しての月額掲載費は他社のほぼ半値です(事実)、プラチナ50万なら25万程ってことです。(そこの会社の人に聞いてるので間違いはないと思いますが)
つまり最初の段階ですでに「全て」において条件が違うと言うことです。
低単価を呼び水に来店時に単価UPを図る落とし穴
従来のサロンのほとんどはこの方法が唯一の単価アップの方法ではないでしょうか?
クーポンで呼んだ方に上位メニューの提案、もしくは店販やトリートメントの提案で購入点数をアップする方法が主流だと思います。
この方法を否定するわけではありませんが、デメリットもあります。
・提案能力の高いスタイリストかそうでないかで結果が変わる
・そもそものクーポン価格で来ているお客様からしたら当初の金額内で収めたい
提案能力の高いスタイリストかそうでないかで結果が変わる
ここが一番大きなポイントだと思います。
従来美容師は提案型のサービスでこういった提案から料金を上乗せして単価を上げていくことが当たり前でした。
提案には能力・自信など色々な要素があり「できる人」・「できない人」で分類されます。
経営者は当然提案を前提としてスタッフを教育していきますが、その提案に伸るか反るかの選択はお客様に委ねられます。
100パーセントの提案を保つのが難しい(できない人がいる)→100パーセントの人が乗らない(断る人がいる)=コントロールできない
このようにスタッフに任せた単価アップは経営者自身でコントロールしにくく、対策もスタッフとのコミュニケーションで解決させなければいけません。その際「ノルマ」に感じてしまうとスタッフの離職につながりかねません。
そもそものクーポン価格で来ているお客様からしたら当初の金額内で収めたい
値引きクーポンの特性上仕方ありませんが、その価格を見てあなたのサロンに決めたと言うのがお客様の本音です。
単価アップの金額にもよりますが、大幅に価格が変わると当然お客様も全員が納得しているわけではありません。
納得してメニューアップする人もいれば、スタッフと同じで「NO」を言えない人もいます。
この際にも過剰な提案は失客のリスクにもつながります。
このようにスタッフの提案力とお客様型の判断で単価をコントロールするのは不確定な要素が多く、対策も人に対してになりかねないのはサロンを経営していく上では大きなデメリットになります。
高単価が取れているサロンの特徴とは?
この質問をすると大体の方は
・技術がうまい
・良い薬剤を使っている
・都心部にサロンがある(一等地)
など言われる方が多いですが、果たしてそうなのでしょうか?
まず当然このような要素もとても大切で、高単価なサービスを売る上では重要なのかもしれません。
しかし、飲食などに置き換えた時どうでしょうか?
技術=味
薬剤=食材
と考え、あなたは本当に美味しいと言う理由だけで高額払えますか?
そもそも「美味しい」は主観なので人それぞれ
高級な食材もその業界でなければ仕入れ値ってはっきりわからないですよね?
つまりすごく曖昧なものに受け取れます。
しかし、松阪牛などのブランド牛の「専門店」はいかがでしょうか?
松阪牛の仕入れ値ははっきりわからないですがブランド牛を取り扱うお店なら高くても納得してしまいますよね。
これを美容室に当てて考えた時にどうでしょうか?
上記の中にあるキーワードから高額でも納得してしまうものを見つけると・・・
・ブランド
・専門店
この二点になります。
つまり高単価のサロンはこのどちらかを確立されているケースが多いのです。
雑誌やテレビに出る美容師・美容室、インスタグラムで人気の美容師・美容室、これらもブランドの一つですが、ブランドというのは簡単に認知されるものではありません。
しかし、専門性は比較的早く舵を切ることが可能です。
高単価なサービスに移行していきたいサロンはこの「専門性」を構築していく必要があります。
あなたのサロンの専門性と顧客の悩みが一致した時に価格は適正化されます。
単価を効率よく上げるには「専門性」が必要
現在美容室の数は激増していて、今美容室が新しくオープンして喜ぶ地域の人は果たしているのでしょうか?
職人業の美容室が「専門職」だった時代は既に終わっています。こんなに近隣に美容室がある中で美容師が専門職のくくりに入ることが既におかしいという認識が必要です。
そのような業界の流れの中、他サロンにはない独自性や専門性をもつことで、あなたのサービスを欲しがる人に適正価格で提供できるようになります。
つまり高単価のサロンをつくれる経営者は、この「独自性・専門性」を武器に自身のサービスを欲しがる人に届く集客を取り入れています。
競合の中でも独自性・専門性をもつことで他と比較されないサービスになり、そのサービスは価格ではなく「ベネフィット」で選んでもらえるようになります。
すぐにできる専門性の持たせ方
この専門性は本来ゆっくりサロンの特色を理解し得意分野の中から見つけ出していくのがベストですが、実は見せ方一つで簡単に専門性を見せることも可能です。
それは・・・
メニュー数を絞る
この方法が実はサロンに専門性を持たせる簡単な方法の1つです。
ディスカウントショップとブランドショップの違いは商品数です。
単価を上げるためにメニューを増やしすぎる事で、逆に単価が下がります。
高いメニューを選べる選択と同時に、安いメニューも同じように選べるようになる事で単価を上げることが難しく、スタッフの提案力に左右される結果になります。
そもそもの選択の幅が少なければ高額なメニューも選んでもらえるようになります。
なかなかサロンの単価が上がらない事でお悩みの経営者は、1度メニューの見直しとして稼働していないメニューを排除してみることをお勧めします。
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