店販をしている美容室は多いと思うが、利益がしっかり出ているという美容室は多くはないでしょう。利益が出る店販とは何なのか?どうすれば利益が出るのか?をテーマにしてみます。

店販の現状

「売れない」美容室

まずは、店販は売れてこそ利益が出る。当たり前ですが、『売る工夫』がされている美容室はとても少ない。美容室で多く見られるのは、2~3種類のヘアケアが一本ずつ陳列されているだけで、価格表も置かれていない場合も多い。

当然、目立ちもしない。大量陳列をすればいいという事ではなく、お客様からすれば、いいものには見えないので欲しいとは思わない。

こうなると、「売れない」のではなく、「売らない」に近いのではないかとも思えます。

さらに、お客様に提案をしていない場合が多い。

もし、販売したとしてもカルテで販売履歴を管理している美容室も少ないので、フォローもできない。

これでは、継続して販売できないのは当然だと思う。

では、なぜ「売ろう」としないのか?

いくつかの理由があるのではないでしょうか?

店販しない理由

利益率が低い

美容室での店販は技術売上に対して見てみると、とても低い。利益率が低いので売上が低ければ、さらに利益額は少なくなる。

これでは、「売ろう」とは思えないだろう。

中間業者が入るため、どうしても利益率は悪くなるのだが、利益率が高くても売れなければ意味がない。40%から50%の利益が確保できればいいのではないかと思う。

現状では、利益率を上げるには、当然だが仕入価格を下げるという方法がある。仕入価格を下げるにはディーラーやメーカーなどに値引きをしてもらう必要がある。基本的には大量購入で仕入れを下げるのが一般的だ。

だが、大量購入といっても売れなければ利益はでない。だから、そうは簡単にいかないのも現実だ。ましてや、小規模美容室ならなおさらだろう。

ネット販売と非正規流通

美容室の店販は基本的には「美容室専売品」だが、今の時代「ネット販売」や「量販店」や「ドラッグストア」などに物が流れている。

せっかく美容室で販売しても次は量販店で買われたり、美容室で紹介してもネットで買われたりと、散々である。

これに対抗するため、流通を管理しようとするメーカーが増えてきているが、パフォーマンスで終わる場合も多いようだ。しっかりと管理している会社は契約書を交わし、ルール違反は見逃さないシステムができている。

ディーラーやメーカーが横流しをしたり、美容室がネットで販売したりと様々なケースがあるようだが、信頼できる会社を選びたいところだ。

提案が面倒

利益が少ないのに、提案なんか面倒だと思うかもしれない。しかし、提案しないことには始まらない。

それでも提案が面倒なのは、なぜか?

「押し売りに思われたくない」「本当にこの商品がいいのかわからない」「断られるのが怖い」「売らない方がいい人に思われそう」などいろいろあると思う。

でも、もしお客様から先に「ほしい」と言われたら、どうだろうか?

売りますよね。

いい商品がない

そもそもいい商品とは何か?

誰にとっていい商品かが決まっていなければ、判断ができない。大手メーカーのブランド力で売れることもあるが、あくまでも、そのメーカーのブランド力であって美容室のものではない。

いい商品とは、

・利益率が高く、

・リピーターが多い、

・在庫負担が少ない、

・どこの美容室でも買える物ではない、

・流通が管理されている、

このような商品であれば、店販したいのではないだろうか。

店販のメリット

では店販はデメリットしかないのか?メリットを探ってみよう。

優良顧客ほど美容室で買う

どの美容室にも「いいお客様」がいる。美容室によって異なるが、ここでは、年間使用金額が上位20%のお客様としよう。

あるメーカーの調べでは、上位20%の90%以上のお客様が何らかの店販を購入していたというデータがあります。

実際に私もいくつかの美容室で調べたところ、同じような結果が得られました。

こう書くと、「いいお客様」だから、当たり前と言われるかも知れません。

しかし、こうは考えられないかと思います。

「店販を買うお客様はいいお客様になってくれる」

私も、いい店だなと思えば、何かを買うという行動につながりやすいです。しかし、いい店だと思わなければ買うという行動はお越しにくいだろうと思う。

今の時代、新規集客が簡単にできるわけではないでしょう。ならば、いいお客様を失客しないことが重要です。

店販をすることが、結果的に「いいお客様」を見出してくれれば、大きな利益になるのです。

売れるアシスタントは人気スタイリストに

これは、私の経験上ですが店販が売れるアシスタントはいいスタイリストに育ちます。

私のいういいスタイリストとは

・好奇心がある

・接客がうまい

・場を明るくできる

・人が好き

・コミュニケーション力が高い

・お店が好き

このようなスタイリストが美容室に一人でもいたら、いいですよね。

独立などを考えると?だな、と思われる方もいると思います。

しかし、独立には理由があります。いくつもある理由ですが結局は、今の美容室にいるよりいいと判断したに過ぎません。

そう判断されないよう、オーナー自身が様々なことを学び、成長していければいいのです。

何も難しいことではありません。

どんな商品がいいのか

利益率、流通管理、在庫負担が少ない

利益率が高く、直送メーカーがおすすめです。当然、流通管理がしっかりなされており、取扱いディーラーも真面目なディーラーを選びましょう。

大手メーカーのものは避けるべきだと思います。

なぜなら、大手メーカーから見れば、小規模美容室の仕入れなど在って無いようなものです。要は、融通が利かないのです。

ならば、有名ではなくても、自分の美容室を大切にしてくれる小さなメーカーの方がよっぽどいいです。

まとめ

美容室での店販は利益が出ていないことが多い。だから、売らない美容室が増えているように思う。

しかし、店販のメリットに気が付けば、店販は大きな利益を生む。

取扱うメーカーもしっかりと選ぶ事をおすすめする。

最後に、読んで頂きありがとうございました。何かのお力になれれば幸いです。